いまや日本初の「女性首相」の最有力との呼び声が高い、自民党の稲田朋美政務調査会長(56)。そんな稲田氏が「政治家であるなら、誰でも首相を目指している」と述べたことがインターネットで話題だ。将来の首相への意欲をのぞかせた、とみられている。
稲田氏は、2012年末に第2次安倍内閣が誕生すると、当選3回にして副大臣や政務官の経験がないにもかかわらず、規制改革担当相に大抜擢され、14年9月には現職に就任。「安倍首相の腰巾着」などと揶揄されることもあるが、注目度が増していることは間違いない。
大臣経験よりも、「選挙の顔」であることが大事
そんな稲田氏の発言にインターネットでは、
「まあ、目指すのは自由ですから」
「『政治家は誰でも首相を目指す』って、呆れて話にもならん」
「安倍首相の後ろ盾をもとに後継者気取りかよ」
「これは『戦国武将は皆、天下を目指した』と同じレベルのデマだね」
「稲田ごときが総理になるようでは、日本もほんとうにおしまい」
「稲田の口から『国家論』を聞いたためしなし!」
といった、冷ややかな声も寄せられている。
しかし、政治評論家の有馬晴海氏は「稲田首相」の可能性について、「初の女性首相に近いことは確かでしょう。可能性は大いにありますよ」という。
その理由のひとつは、首相選びが大きく変わったことにある。かつて、首相に「最も近い」とされたのは大臣経験者、なかでも外務と財務や経済産業相といった外交と経済を担う閣僚を経験、かつ党3役のうち2役の経験者といわれた。
それが小泉内閣時代から変わってきて、いまの安倍晋三首相も自民党幹事長と内閣官房長官だけだ。有馬氏は「いまは大臣経験よりも、『選挙の顔』であることが大事なんです」と説明する。「ポスト安倍」で名前があがるのが麻生太郎財務相・副総理、谷垣禎一自民党幹事長、石破茂地方創生担当相・・・らで、「自民党の人材不足」も目立つ。
閣僚経験が重視されなくなったことで、当選4回で規制改革担当相と政調会長に就いた稲田氏は、エリートコースに乗っている形だ。
さらに少子高齢化の時代にあって、弁護士の夫と1男1女の母として稲田氏が家庭を大事にしていることも高い評価につながっている。