リストカットの痕をデザインした腕輪(バングル)、「リスカバングル」をめぐり、ネット上で「不謹慎」「リスカは遊びじゃない」などと非難が巻き起こった。
企画制作販売を手がけたアクセサリーショップは2015年6月25日、ブログやツイッターに釈明文を掲載したものの、騒動は収まらず、26日にはついに販売中止を発表した。
腕に巻くと、リストカットをしたかのように見える
「リスカバングル」は、イラストレーター・江崎びす子さんが描く女性キャラクター「メンヘラチャン」と、東京・下北沢や高円寺などに店舗を構えるアクセサリーショップ「Conpeitou.」のコラボレーション商品として14年10月から発売されていた。
メンヘラチャンは、左腕にリストカット(自傷行為)痕を持つセーラー服姿の女性だ。ネガティブな要素を含みながらも、ピンクを基調としたファッションに身を包むというギャップが女子中高生などに受け、「病みかわいい」と人気を集めた。メンヘラチャンがリストカットで変身し、敵と戦うというストーリーのマンガ作品も生まれた。
その他、LINEスタンプ、アパレルショップとのコラボレーショングッズなど、さまざまな商品で使われている。
リスカバングルは、そんなメンヘラチャン人気に目を付けたConpeitou.のデザイナー、mSTさんが企画立案。江崎さんに素材提供を依頼し、自主制作した。すでに商品ページは削除されたものの、同店通販ページなどで1800円で販売されていた。
デザインは、なかなかショッキングだ。キャラクターが所々にあしらわれた透明なバングルの中央に、切り傷や噴き出す血をモチーフにした赤い模様が描かれている。腕に巻くと、まるでリストカットをしたかのように見える。
若い女性の間では広まっていたらしく、ファッション雑誌で活躍する読者モデル・椎名ひかりさん(20)も6月3日のブログで愛用していると明かした。mSTさんのブログによると、一時完売したという。
しかし、6月24日、同店公式ツイッターアカウントがリスカバングルの再入荷を告知すると、「不謹慎だ」「リスカはアクセサリーじゃない」「リスカは遊びじゃない」「ファッションで誰かが傷つくのは、嫌だ」など批判の声がツイッターで上がった。
ついには「リスカバングル販売停止」というハッシュタグも作られ、多くのユーザーがツイートを寄せた。