総務省が2015年6月26日に発表した5月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の実質消費支出は前年に比べて4.8%増えた。増加は14か月ぶり。1世帯あたりの消費支出の実額は28万6433円。14年4月の消費税率の引き上げに伴う反動減が一巡したのを主因に、景気の回復基調が見込まれる。季節調整済みの全世帯消費支出は前月比2.4%増となり、2か月ぶりに増えた。
ただ、総務省は消費支出の基調判断を「緩やかな回復傾向が続いている」に据え置いた。
内訳をみると、住居の設備・修繕維持や自動車の購入、定期代などの交通・通信、エアコンや冷蔵庫など家庭用耐久財などが押し上げに寄与。交通・通信が大きく伸びたほか、消費税率引き上げ後の落ち込みが激しかった品目の増加が目立つ。エアコンについては、5月の気温が高めだったことも影響した。
また、5月の勤労者世帯の実収入は1世帯あたり43万325円で、前年比1.5%増と2か月連続で増加。名目も同2.2%増となった。