白物家電で世界最大手のハイアールが、人気映画「スター・ウォーズ」に登場するロボット「R2-D2」型冷蔵庫を2016年にも発売するとして、話題になっている。
日本などを統括するハイアールアジアが2015年6月2日に東京都内で開いた発表会で明らかにした。
頭部を回転させたり、光を点滅させたり
R2-D2型冷蔵庫はほぼ実物大。胴体部分が冷蔵庫になっていて、ペットボトルや缶ジュースなどの飲料を冷やすことができる。自走用モーターや充電式バッテリーを搭載し、リモコン操作で移動する。
映画のように停止状態でも頭部を回転させたり、光を点滅させたりするほか、電子音声を出すなど細部まで忠実に再現している。受注販売する予定だという。
発表会ではスター・ウォーズのテーマに乗って試作機が登場し、発表者として登壇していたハイアールアジアの伊藤嘉明社長のところまで移動。伊藤社長は胴体部分からペットボトル飲料を取り出して口にすると、「世界初ですよ」と報道陣にアピールした。何が世界初かといえば「呼んだら来てくれる冷蔵庫」(伊藤社長)というところだそうだ。
映画のように電子音を発する試作機を横に、伊藤社長は「僕が欲しいから作った。映画が大好きで、家で映画を見る時にいつも思うのが、のどが乾いたけど、映画を止めたくない。このジレンマ、どうにかならないのか。そこで僕が冷蔵庫に取りに行くのでなく、冷蔵庫が来てくれればいいと思って作った冷蔵庫」と開発に至った理由を説明。
さらに「コンセプトモデルでなく実際に販売する。ルーカスフィルムとも何度もやりとりして忠実に作った」と正規ライセンス品として実際に発売することを強調した。 ネット上では早くも「すげー欲しい」「動くなんて」「中国製でもR2-D2は手に入れたい」などと評判になっている。
「日本だと会議で却下」の声
ハイアールは2002年に日本に進出し、2012年には三洋電機の洗濯機、冷蔵庫事業を買収して技術力を高めてきた。しかし、日本での知名度は低く、なかなかシェアを伸ばせずにきた。
スター・ウォーズの新作は12月に世界同時公開される予定だ。関連商品が登場したり、イベントが開かれたりするなど人気が再燃しており、業界関係者は「スター・ウォーズ人気に便乗しブランドの浸透を図る狙いでは」と話す。
ただ、ネット上ではR2-D2型冷蔵庫を含めたハイアールの開発姿勢に対し、
「誰もいらない機能つけるよりおもしろい」
「こんなバカなこと日本じゃやれん」
「日本だと会議で却下」
など日本メーカーを引き合いに出して評価する声も出ている。
いずれにしろ、R2-D2型冷蔵庫を心待ちにするファンは少なくないようで、正式な発売日がいつになるかが注目されている。