家具、インテリア大手「ニトリ」の通販サイトが6日間にわたって使用できなくなった。サイトリニューアルに際してプログラムエラーが発生したことが原因で、PCやスマホアプリすべての通販サイトで買い物ができない状態が続いていた。
2015年6月23日18時にようやく復旧したが、作業の遅れが目立つうえ、一度再開を発表しながら延期するなど不手際が目立った。ネットにはユーザーからの「長すぎる」「まだか」という不満があふれた。
「現状復旧の目途がたっておりません」
通販サイト「ニトリネット」が使用できなくなったのは、サイトリニューアルを行った6月17日10時からのことだ。リニューアルでは新たにクラウドサービスを導入し、通販サイトでの買い物も店頭同様、時間指定での配送受付が可能になるはずだった。
しかしリニューアルサイトをリリースした直後にプログラムエラーが発生。表示エラーなどの不具合が起き、サイトに入ることすらできなくなった。
トップ画面には「サイトリニューアル作業遅延のお知らせ」として、
「サーバー調整の作業を進めておりますが、現状復旧の目途がたっておりません。復旧の目途が立ち次第、本サイトにて改めてお知らせします」
とする文言が表示された。復旧のめどが立っていないことから、ネット通販の楽天市場やYahoo!ショッピングなど外部サイトでの買い物をすすめるという異例の対応を行った。
その後もメンテナンスが長引き、23日午前中のテスト再開時を除いて、およそ6日間にわたってサイトが使用できない状態が続いた。いったんは23日17時の再開を発表したが、1時間程度ずれ込み18時ごろの復旧になった。同社広報によると、ここまで長期の障害が出たのは初めてだという。
ツイッターなどネットには「買い物しようとしたけどできない・・・」という声が相次いでいる。あまりのトラブルの長さに
「そろそろ大丈夫だろうと思って確認したらまだ見れない状態だった...。がっかり。今日中には復旧して欲しい」
「あれ・・・ニトリ17時に復活するって言ってたのに・・・」
「まだ直ってなかったのか。流石に長すぎじゃないか?」
と不満の声が上がっていた。
「今回の損失はお客様の信頼を失ったことです」
不具合がここまで長引いていた原因は何だったのか。もともとのトラブルが起きた原因はリニューアルサイトのオープン時に、サーバーのCPUが不足したことだ。担当者によると「もちろん事前にテストはしていたが、想定以上の負荷がかかってしまった」。その後はサーバーを入れ替えるなどして対応したという。
一般的にサイトリニューアル時にトラブルがあった場合、一時的に旧サイトに戻すことが行われる。しかしニトリはこうした手段を取らなかった。担当者は、
「仮に旧サイトを復旧させたとしても2日ほどはかかる見込みだった。それよりも早くしっかりした新サイトをオープンすることを優先した」
と説明する。ただ、これだけの時間がかかることは想定していなかったという。
なお、同社によると長期にわたってサイトがダウンしたことの業績への影響は「ほとんどない」という。実店舗と通販サイトの売上比率はおよそ99対1ぐらいだそうだ。
「お客様にご不便をおかけし申し訳なく思っています。今回の損失はお客様の信頼を失ったことです」
と話している。