評価と失望と
市場では「働き手が減る中でも日本経済を成長させるため、人材教育などで生産性を上げようとする視点は正しい」と評価する声がある一方、「人材育成は経済浮揚効果が見えにくい。規制緩和も踏み込み不足」と失望も広がっている。
政府は成長戦略と並行して2020年度までの財政健全化計画も議論しており、名目3%超、実質2%超の高い成長が続いて税収が大幅に増えることが前提となっている。
高い成長率を実現するため、アベノミクスの「第1の矢」である日銀の大規模金融緩和と「第2の矢」である財政出動で景気を刺激し、「第3の矢」である成長戦略によって日本経済を本格的な成長軌道に乗せるシナリオを描いてきた。
だが、農協改革など昨年までの成長戦略の効果が表れるのにはまだ時間がかかるうえ、新たな改革にも切り込めない現状では高成長は望めそうになく、財政健全化の前提も崩れかねない。