「100でも120でも、どっちでもいい。どうせ150くらいで走ってる」
新東名高速道路の最高速度の引き上げへの期待は小さくない。東京から約200キロメートルの、森掛川インターチェンジ(IC)がある静岡県森町産業課は、スピードの出し過ぎなどによる交通事故の増加を懸念しながらも、「日帰り観光客が多いので、移動時間が短縮されれば、移動距離が延びて、より多くの観光客が訪ねてくれるようになります」と歓迎する。
町内に森掛川ICができて以降、森町を訪れる観光客はそれ以前と比べて年間で約20万人増え、110万人前後で推移している。期待が大きいのも無理からぬところだ。 静岡県も賛成している。県では毎年、国土交通省に「新東名の高速化に向けた走行性・安全性等に関する調査・検証の実施」を提案。「最高速度が引き上げられれば、利便性が高まります」と、歓迎する立場を表明している。時間短縮による観光客の増加や物流の効率化などの経済効果に期待を寄せる。
また、今のところ静岡県や森町に反対意見は届いていないという。
インターネットでは、
「いいだろ、上げなくて。人間そんなバカみたいな高速に対応したカラダしてねえよ」
「120でいいよ。ただし取り締まりは1キロオーバーから切符きれよ」
「当初の規格は3車線120キロで設計してる。それをつくっといて使わないほうが経済的にマイナス」
「新東名は真っ直ぐで路面もいいから(スピードが)出せる。ただ、東名と違って暗いから、渋滞してるときの追突は増えるかもな」
と賛否が分かれるなか、
「100だろうと120だろうと、どっちでもいい。どうせみんな150くらいで走ってる。それよりなんで日本人は制限速度を守れないのか考えたほうがいい」
といった声もある。
ちなみに、海外の最高法定速度は米国(ニューヨーク州)が貨物自動車(毎時88キロ)以外の乗用車などが毎時104キロ、英国が112キロと、日本とあまり変わらないが、フランスやイタリアが130キロ、ドイツが無制限(推奨速度130キロ)となっている。