厚労省「日本での乱用は聞いたことない」
ほかに、アメリカの著名人では、歌手のエルビス・プレスリーさんらもオキシコドンを常用していたと報じられている。
アヘンの成分から作られるオキシコドンは、砕いて吸うとヘロインのような恍惚感を得られるという。米国内の街中では、違法に売られており、医療目的以外に使っているアメリカ人は1600万人にも上るとの推計も出ている。若者は、友達と薬のやり取りをしたり、ネット上での売買にはまったりしているとされ、過剰摂取で死亡するケースも増えて大きな社会問題になっているようだ。
ハンプ容疑者が輸入しようとしたオキシコドンは、自分で使う目的ぐらいの分量だったという。仕事でストレスを感じて、服用によるリラックス感を得ようとした可能性もあるが、どのような目的なのかはナゾのままだ。
日本でオキシコドンが乱用されたケースがあるかについて、厚労省の監視指導・麻薬対策課では、「少なくともここ3年ぐらいは、まったく聞いたことがないですね」と話す。
日本では、がんの治療で強い痛みを抑える薬として使われているという。保険が適用されるのは、がんだけだからだ。使用量は増えており、日本でもポピュラーな鎮痛剤になりつつあるともした。しかし、今後、日本でも乱用が問題になるかについては否定的で、「医師が処方するのは必要量だけで、患者もそれがないと苦しみます。ですから、他の用途に使われるのは考えにくいと思います」と言っている。