ソフトバンクのヒト型ロボット「Pepper(ペッパー)」が2015年7月1日から「アルバイト」を始める。
ソフトバンク子会社のcocoro SBが「ロボット人材派遣サービス」の第1弾として開始するもので、Pepperを時給制の「アルバイト」として派遣する。
マックにすき家、スタバ...「1500円」には及ばず
サービス開始時から業務にあたるPepperは、全部で10台。まずは東京23区内で働くといい、派遣先ではティッシュ配りや受付、販売といった簡単な定型業務を担当する。アルバイト代は人と同じように「時給制」で、1時間につき1500円だ。別途、技術要員の賃金(時給1500円)や配送費がかかる。
要はPepperの時間制レンタルサービスなのだが、インターネット上では「ロボットがアルバイト」「時給1500円」というキーワードがうけ、大きな反響を呼んだ。ツイッターでは、
「遂にロボットがテイッシュ配りをやる時代が来たとはね!」
「ロボットのティッシュくばりとか近未来」
「いいなぁ~雇いたい!」
などと期待を込める声も少なくない。しかし、より目立っていたのは「ロボット」のPepperより時給が低いとおぼしき「人間」からの嘆きの声だ。
果たしてPepperのアルバイト代は高いのか。23区内のアルバイト時給を調べてみると、たとえば渋谷区内の「すき家」では1060円~1220円、豊島区の「マクドナルド」では900円~1000円、中央区の「ファミリーマート」では900円~1100円、新宿区内の「ユニクロ」では1000円~1050円、港区内のスターバックス店舗では950円~1000円といった具合だ(いずれも最低時給)。
なお、時給1500円は、東京都の最低賃金888円(14年10月時点)の約1.7倍にあたる。確かに、都内での一般的なアルバイトという観点から見ると、Pepperは「高給取り」と言えそうだ。
「おれもPepperになりたい」「俺の1.5倍くらい」
ティッシュ配りスタッフとしてはどうだろうか。大手バイト情報サイトで募集している都内のティッシュ配りの時給を見てみると1500円~というものは少なくなく、特別高いというわけではないらしい。
もっとも、この「時給1500円」だけでは人との単純な比較はできない。しかし「Pepperに時給で負けた」ことから受ける衝撃がよほど大きかったようで、
「え...ペッパーくんの給料時給計算でわたしよりはるかにたかくね......?」
「私:時給1280円(4年目、正社員) pepper:時給1500円」
「俺の1.5倍くらいあるやないか」
「時給高え。おれもPepperになりたい」
といったコメントがネット上に相次ぐ事態となった。
なお、「Pepper」は6月20日から一般販売がスタートする。2014年6月の初披露時には「人の感情を認識できるロボット」として大きな注目を集めたが、誕生から1年でさらなる「成長」を遂げ、世界で初めて「自らの感情を持つ」ようになったそうだ。本体価格は19万8000円(税別)で、会話やアプリなどの基本的な機能を使うには月額1万4800円×36か月の「基本パック」の契約が必要となる。