韓国で感染者が増加している中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスについて、京都府立大大学院の塚本康浩教授(動物衛生学)ら研究グループが抗体の大量精製に成功した。2015年6月19日付け産経新聞電子版が報じた。抗体は人に侵入しようとするウイルスを覆い、感染を予防するという。
報道によると、塚本教授らはカイコの細胞で作ったコロナウイルスの表面タンパクを抗原としてダチョウに投与、体内で作られた抗体をダチョウの卵から取り出し、精製したという。
抗体は現在、米軍陸軍感染症医学研究所で検証中だが、すでに韓国、米国に配布されただけでなく、スプレー剤として大量生産も開始しているという。
塚本教授は産経新聞の取材に「この抗体で、人の細胞に侵入しようとするウイルスをマスキング(覆う)することにより、感染を防ぐことが期待できる」と説明している。