兵庫県姫路市議会の酒上太造議員(47)が女性(34)に暴行したとして、謝罪と議員辞職を求める陳情書が市議会に提出された問題がテレビのワイドショーなどで連日大きく取り上げられている。
酒上議員は高校大学と相撲部で活躍していたことから、「どすこい議員」「突っ張り暴行」などと面白おかしく報じられていて、突っ張ったとされる女性は不倫相手。報道内容は愛人間の三角関係とか、300万円の手切れ金といった下世話な話ばかりが続くため、地方議員の資質の問題や地方議会の在り方といったものではなく「議員と愛人のどちらが悪いのか?」といった議論がネット上で活発になった。
酒上議員と愛人「悪いのはどっち?」
「はっきり言っちぇえば、痴話喧嘩が姫路市以外まで巻き込むのかね!?」
2015年6月17日放送のフジテレビ系情報番組「とくダネ!」で、キャスターの小倉智昭さんが呆れ顔でそう呟いた。というのも酒上議員は前日の6月16日、緊急記者会見を開き釈明をしたのだが、その内容があまりにも市政を離れた愛憎劇のようなものだったからだ。
今回の件は、15年4月30日夜に、愛人の女性を突き飛ばして全治1週間のケガを負わせ、その愛人が5月15日に警察に被害届を提出した。そして、5月28日に姫路市議会に酒上議員の謝罪と辞職を求める陳情書を提出したというもの。
同番組などによると、酒上議員は女性とは4年前から不倫関係にあり、14年5月に妊娠を知らされた。中絶して欲しいと懇願したが固辞され、女性は出産した。出産前に子供は認知し養育費を出すことを決めたが、不倫を続けるのは良くないということで300万円の「手切れ金」を支払い別れた。そうしたことは第三者を通じて秘密裏に行った。数か月連絡を取らずにいたが、心配になり再び女性の家に行くようになったけれども、それは愛人としてではない、などと語った。
さらに、女性が出産する直前に見知らぬ男が自宅にやって来て「私との間に子供がいます」というワープロ打ちの紙を妻に見せたため、不倫を知らなかった妻は混乱する事態になった。暴行に関しては、女性がスナックのママとの関係を疑ったためで、2人でそのママに会いに行き疑いを晴らそうとした。ママとは決して不倫の関係にはない、とも。ママが「付き合ってるの?あんたたち」と聞き、酒上議員が「付き合っていない」と答えると女性は逆上し、酒上議員の左頬を平手打ちした。酒上議員は反射的に「何をするんや」と女性の肩を右手でポンと突いた。左手には荷物を持っていた。転んだ女性はその場で警察に通報した、というものだった。
「付き合っていない」と言ったことが私への裏切り
その女性はこの日、各局のインタビューに応じワイドショーに登場した。酒上議員の説明とは全く違っている部分があった。そうした報道によれば、酒上議員との関係は続いていて、暴行があった1週間前も会っていた。300万円は「手切れ金」ではなく子供の養育費として受け取った。酒上議員とママが不倫関係にあったのは間違いなく、そのママの前で自分とは「付き合っていない」と言ったことが自分に対する裏切りであり、どうしても許せないから被害届を出すことにした。酒上議員を平手打ちしたのは事実だが、酒上議員はその後に両手に持った荷物を下に置き、両手で思いっきり「つっぱり」をした。首元には大きな手形が付き、両ひざから出血した。そして、そんな暴行を働いたのに自分に対する謝罪はなく、こうした誠意のかけらもない態度は市政を預かる議員として相応しくないため、議員辞職と自分に対する謝罪を求める陳情書を出した、などと説明した。ちなみに、酒上議員も頬を平手打ちされたことから暴行を受けたという被害届を警察に提出している。
まさしくこれは、傷害事件という以前の痴話喧嘩そのもののように見える。混乱を招く行動をした酒上議員に対し、議員としての資質を問う厳しい意見も多く出ているのだが、ネットでは興味が2人のうちどちらが悪いのか、といった方向に興味が流れていて、
「愛人のインタビュー見たけど、どっちもどっちとしか思えんかった。子供たちが可哀想」
「こんな奴が議員やってること自体が不誠実。愛人に払った慰謝料かて元は税金からだろ 。辞職しろクズ」
「馬鹿な男が地雷女に引っかかった、それだけの話だった。全国放送で流す話じゃないわ」
などといった意見が出ている。