遺族は回収要請するも「出版を継続」
遺族に事前連絡せず、了解を得ぬまま出版したことについては「事件をようやく忘れようとしている遺族の心を乱すもの」という批判が多く出ている。同社にもそうした声は届いているそうで「重く受け止めている」という。
しかし、それでもなお出版を断念しえなかった。その背景についてコメントでは、
「出版は出版する者自身がその責任において決定すべきものだと考えます。出版の可否を自らの判断以外に委ねるということはむしろ出版者としての責任回避、責任転嫁につながります」
と説明。出版後には批判の声だけでなく、肯定的な意見も届いているそうで、
「私たちは、出版を継続し、本書の内容が多くの方に読まれることにより、少年犯罪発生の背景を理解することに役立つと確信しております。ご遺族にも出版の意義をご理解いただけるよう努力していくつもりです」
と結んだ。
出版後には、殺害された土師淳君(当時11)の父親と代理人弁護士が同社へ抗議文を送付。速やかな回収を求めていた。コメントはそのことについてはとくに言及しておらず、引き続き販売を続けるようだ。