MERS隔離対象者でありながら、外出、ゴルフ、海外出国... 韓国ではなぜこんな杜撰なケースが頻発するのか

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   中東呼吸器症候群(MERS)による韓国での隔離対象者に日本人が複数いて一部は帰国したことが分かり、日本でも不安の声が出ている。

   MERSの自宅隔離対象者には外国人20~30人がおり、その中に日本人も含まれている。韓国当局は2015年6月15日になってこう発表し、報道によると、それは母子の2人だった。

  • なぜ独自の隔離制度にした?
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隔離対象の日本人帰国に「杜撰すぎる」の声

   韓国では、隔離対象者になると、14日間にわたって自宅や病院で隔離され、出国が禁止される。それが2人とも、この日までに日本に帰ってしまった。

   その理由については、隔離措置の通告を受ける前に帰国してしまった可能性などが報じられているが、はっきりしたことは分かっていない。

   この母子は、日本から韓国旅行に来たわけではなく、韓国在住者だった。集団感染が起きたサムスンソウル病院に行ったとも一部で報じられている。韓国在住なのに、なぜ日本に帰ったのかは不明だ。

   MERS検査では、陰性と判定され、現在も発熱などの症状はないという。

   しかし、隔離対象者でありながら帰国してしまったことに対し、ネット上では、韓国への疑問の声が相次いだ。

「あまりにも対応が杜撰すぎる」「韓国でまるでコントロールされてないのでは」「韓国からの出入国を厳しく制限すべき」...

   韓国では、隔離対象者が地下鉄やバスに乗ったり、ゴルフや海外旅行にまで行ったりするケースが続出している。なぜこんなに統制が取れていないのか。

韓国独自の「自宅隔離」が混乱を招いた?

   厚労省の結核感染症課によると、日本では、自宅隔離という措置は取っていない。それは、発熱などの症状が出なければ、MERS感染の恐れがないからだ。

   行動の制限はせず、検疫所が健康監視をする。それは、14日間にわたって、体温や健康状態を毎日報告してもらうというものだ。

   ただ、もしMERS感染者の咳などによる飛沫を吸う「濃厚接触」があれば、この間は自宅にいてもらうことを依頼する方針だという。

   これに対し、韓国では、感染者への接触が疑われるが、発熱などの症状が出ていない人は、自宅に隔離される。法律に基づく措置なので、違反して警察に連れ戻されるケースが続出している。

   ところが、「濃厚接触」ばかりでなく、感染者と同じ病院にいた人はすべて対象者になるので、その数が膨らんでしまう傾向がある。自宅隔離対象者は、6月16日までに5000人以上にも達しており、警察なども手が回らなくなっている。

   韓国で、感染拡大に歯止めがかからないのは、こうした独自な制度による混乱が招いている側面がありそうだ。

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