韓国独自の「自宅隔離」が混乱を招いた?
厚労省の結核感染症課によると、日本では、自宅隔離という措置は取っていない。それは、発熱などの症状が出なければ、MERS感染の恐れがないからだ。
行動の制限はせず、検疫所が健康監視をする。それは、14日間にわたって、体温や健康状態を毎日報告してもらうというものだ。
ただ、もしMERS感染者の咳などによる飛沫を吸う「濃厚接触」があれば、この間は自宅にいてもらうことを依頼する方針だという。
これに対し、韓国では、感染者への接触が疑われるが、発熱などの症状が出ていない人は、自宅に隔離される。法律に基づく措置なので、違反して警察に連れ戻されるケースが続出している。
ところが、「濃厚接触」ばかりでなく、感染者と同じ病院にいた人はすべて対象者になるので、その数が膨らんでしまう傾向がある。自宅隔離対象者は、6月16日までに5000人以上にも達しており、警察なども手が回らなくなっている。
韓国で、感染拡大に歯止めがかからないのは、こうした独自な制度による混乱が招いている側面がありそうだ。