加害者側の心理を理解する上で意義がある
2人に共通するのは、少年犯罪を起こした加害者側の心理を理解する上で意義がある、という主張だ。
同様の指摘は元オウム真理教幹部で、現在は「ひかりの輪」代表の上祐史浩氏も行っている。6月16日、自身のブログで
「自分も、過去の反省と共に、こうした精神病理的な犯罪の心理・原因の研究はしたいので、読みたくない本ではない。とはいえ、実際に読むとしたら、たぶん借りて読むだろうが」
とつづった。上祐氏は自身の著書「オウム事件17年目の告白」で印税全額を被害者への賠償にあてたという。その上で出版社の収益や著者の印税の相当部分を被害者賠償にあてる仕組み作りの必要性を訴えている。
なお、テレビのワイドショーコメンテーターは出版に否定的な意見がほとんだ。たとえばタレントの坂上忍さんは遺族に事前連絡をしなかったことについて「なぜ了解を得ずに初版で10万部も刷るんだろう。さっぱり分からない」、キャスターの小倉智昭氏は「自分の責任で本を書くのであれば、実名で書けばいいじゃないですか」と発言している。