防犯カメラの「痴漢容疑者」画像がツイッターに流出 アルバイトも無関係、店主も訝るミステリー

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   コンビニの防犯カメラから撮ったと見られる「痴漢容疑者」画像が、ツイッター上に流出していたことが分かった。ただ、どういうルートで流れたのか不明で、店主も訝っている。

   東京都内のあるファミリーマート店舗のレジ前で、若い男性客が顔のはっきり見える形で映っている――。レジの後ろ上から写された画像で、2015年6月8日9時51分と撮影時刻が出ているため、防犯カメラの映像からであることが分かる。

  • なぜ画像が流出したのか
    なぜ画像が流出したのか
  • なぜ画像が流出したのか

都立高校生が「痴漢してる奴」と画像をアップ

   問題の画像は、この日にツイッター上にアップされた。ツイート主は、プロフィールなどでは、ある都立高校3年の男子生徒(17)と自己紹介している。

   ツイート主は、この画像に写っている男性客について、都内のJR線区間を利用しているらしいとして、こう断言した。

「痴漢してる奴なので何か情報持ってる人や思う節がある方、ご連絡下さい」

   その後、別のツイート主がこの写真を転載し、画像の男性客について、「痴漢してるゴミです 心当たりあったら教えてね」とつぶやいた。友人らしいが、どのような関係なのかは定かではない。また、このツイート主は、都内のJR線駅前の階段下に立っているメガネ姿の別の男性についての写真を多数アップし、「駅階段の下でJKスカート覗き見してます」「階段の下に覗き魔いました」などと非難する言葉を連ねた。

   一連のツイートは、ネット上で話題になり、12日には情報サイトも取り上げる騒ぎになった。「痴漢容疑者」画像のツイートはその後に削除され、15日になってツイッターが非公開設定になった。メガネの男性の画像をアップしたツイッターについても、現在は非公開設定になっている。

   「痴漢容疑者」画像を載せたツイート主は、当初は、ファミマのアルバイト店員だとみられていた。ところが、この店舗に取材すると、意外なことが分かった。

警察を通じ、何らかの形で画像が外部に流出?

   店舗の店長は、取材に対し、ツイート主のような名前の店員はおらず、ここ数年は同じ都立高校の生徒をアルバイトとして雇ったことはないというのだ。防犯カメラには、操作にカギをかけており、記録ログに再生した形跡もなく、画像が店内から流出することは考えられないとも明かした。

   その説明によると、警視庁荒川署員が6月8日ごろに店を訪れ、近くで痴漢があり、ここで容疑者が買い物をした形跡があるとして、防犯カメラの映像を見せてほしいと依頼した。そこで、映像を見せると、署員は「この男だ」としてカメラで写真を撮って行った。

   店主の主張が間違いないとすると、警察を通じ、何らかの形で画像が外部に流出した可能性が考えられる。店舗には、問い合わせやクレームも来ているといい、店長は、「うちの店員が画像を晒したと言われ、業務妨害を受けている」と怒っていた。

   警視庁の広報課では、取材に対し、「捜査中につきお答えを差し控えさせていただきます」とだけコメントしている。

   「痴漢容疑者」画像を載せたツイート主について、都教委の指導部では、都立高校3年の男子生徒であることを取材に認め、もし「容疑者」の男性がえん罪だったら大変なことになるとして、高校側が15日に本人を指導したことを明らかにした。男子生徒は、コンビニにバイトなどで関わったことはないといい、どこから画像を手に入れ、なぜアップしたのかについては、まだ分からないという。

   一方、都立高校の副校長は、「その件については認識していますが、個人情報に関わりますので、これ以上はお答えできません」と取材に答えた。ファミリーマートの広報グループでは、「現在調査中であり、コメントは差し控えさせて下さい」と話している。

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