噴火警戒レベル2に指定された箱根山の噴火が心配されるなか、2015年6月に入り地震の発生回数が5月に比べ激減し、地殻変動も弱まっている。
このまま終息していくのだろうか。専門家は予断を許さない、と見ている。
蒸気噴出の勢いも弱まり地殻変動も鈍化の方向
気象庁は15年6月15日に火山噴火予知連絡会を開催し、日本各地で活発化している火山の評価を行い、その結果を発表した。箱根山についてはやや活発な火山活動が続いているものの6月に入ってからは地震回数が減少し、大涌谷温泉供給施設の蒸気噴出の勢いも6月4日の現地調査で5月に比べやや弱まっている。地殻変動も鈍化の方向が見られる、と評価した。低周波地震及び火山性微動は発生していないという。火山活動が終息に向かっているとも取れる内容だが、
「地震活動、地殻変動及び活発な蒸気の噴出が継続している間は、大涌谷周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があります」
と注意を呼びかけた。
神奈川県温泉地学研究所の観測によれば、地震が活発化したのは15年4月26日午後からで、この日は火山性地震が102回あり、28日は午後5時までに111回に上った。ほとんどが震度1に満たない無感地震で、最大規模は27日のマグニチュード1・5だったものの、5月入ると激しさを増していった。気象庁は5月6日に5段階の噴火警戒レベルを1(平常)から2(火口周辺規制)に引き上げ「火口周辺警報」とした。