「ピンチにもチャンスにも弱い」
「責任はすべて私にある」
中畑監督は貯金を吐き出したとき、悲壮そのものだった。売り物の明るさは消えていた。
「貯金を持って(札幌から)帰りたかったが...。下を向いても仕方がない。目先の1勝を取りにいく」
非常事態宣言である。なりふり構わず戦うというのだ。
中畑監督の変わり様を追ってみる。3日のソフトバンク戦を8回裏に3点を挙げて6-5の逆転勝ち。
「最後まで食らいついていく。8回はウチらしい攻撃だった。ナイスゲームだったね」
翌日、ソフトバンクに0-8の完封負けでセ首位から脱落。「(モスコーソ投手に対し)全く気持ちが入っていない」
7日の西武戦に敗れ、交流戦の最下位に。「頑張るしかない。先は長い」
それから3日後、楽天に負けて6連敗。「ピンチにもチャンスにも弱い。負のムードがある。まだ貯金(3)がある。切り替えていく」
およそ3週間の交流戦。この間にDeNAは天国から地獄に落ちた。交流戦はドラマが多いが、これほど極端なケースはあまりない。
巨人も貯金を大きく減らし、セは戦国時代の様相となった。DeNAはまだチャンスがあるということである。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)