「あらぬ疑いをかけられるリスクがあるのは当然のこと」
弁護士ドットコムは2015年6月15日に、「当社は引き続き、すべての企業活動において、特定の政治的思想および信条に基づいた判断および活動を行うことは一切ありません」とのコメントを、社長続投とあわせて発表。インターネットに寄せられる「耳の痛い」声をけん制したとみられる。
企業の経営者が国会議員に立候補するケースはめずらしくはない。たとえば、参院議員にはワタミの創業者だった渡邉美樹氏(自民党)がいるが、現在は経営の一線から退いている。また、松田公太参院議員(日本を元気にする会)はタリーズコーヒージャパンの創業者だが、すでに経営からは退いている。
してみると、上場企業のトップと議員との「二足のわらじ」は、なかなか成り立たないようでもある。
企業アナリストの大関暁夫氏は、上場企業のトップがそのまま国会議員を務めることになれば、「法律的には問題がないとしても、なにか利益誘導があるのではないかなどと、あらぬ疑いをかけられるリスクがあるのは当然のこと」と指摘する。
メディアとしても、ネット世論をうまく政治に取り込めるなどと思われかねないだろうし、企業としてはそういったイメージがマイナスにもなりかねない。
ただ、大関氏は「参院選までまだ1年以上ありますから、進退については時間をかけて、慎重に考えていくでしょうし、もしかしたら(「辞めない」発言で)ようすをうかがっているのかもしれません」とも話している。