ブラック企業の判断基準はその年代で変わる
ブラック企業を徹底検証するWebサイトは、体験談のほか、ブラック企業の専門用語とコラム、年度別の「ブラック企業」の判断基準などで構成されている。
用語集は現在、「労働基準監督署」「拘束時間と労働時間」「36協定」などの用語を解説。これから「過重労働」「サービス残業」「過労死」「解雇」などを順次追加していき、「用語集を充実して、7月には正式にオープンします」と、担当者は話す。
もう一つの目玉、「年代別ブラック企業の判断基準」について、同社は「年代ごとで社会に影響を与え、話題となったブラック企業や、労働事件や裁判の判例などによってブラック企業の基準が変わるのが現状です。このコンテンツでは2010~15年まで、年代別にブラック企業の判断基準を解説しますが、その後も変化するブラック企業の判断基準を検証、解説していきながら最新のノウハウを提供したい」と説明する。
また、「法律違反? ブラック企業判定」では、ニュースや情報サイトなどで取り上げられているブラック企業の実例を専門家に判断してもらい、その結果を解説する。
そもそも、「ブラック企業」の公的な定義はない。ただ、一般的には労働規定に抵触する可能性があるグレーゾーンな条件での労働や、従業員の使い捨てが激しく人材募集が絶えなかったり、若者を酷使して最終的に退職に追い込んだりするイメージがある。
たんに仕事がキツいとか残業が多いだけでは、ブラック企業とは呼ばないという。
とはいえ、実際に「ブラック企業」は増加傾向にあるとみられる。厚生労働省の「個別労働紛争解決制度施行状況」によると、2013年度の民事上の個別労使紛争は前年度と比べて3.5%減の24万5783件だが、なかでもパワハラにあたる「いじめ・嫌がらせ」は2年連続トップの5万9197件で、12年度比で14.6%も増加。加えて、13年度の過重な仕事が原因で発病した精神障害の労災請求件数は1409件と、過去最高だった。