「SIMフリー」スマホは5年で4割に拡大する 日本市場に公平な競争環境できた
ファーウェイ・ジャパン 呉波氏に聞く

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   日本のスマートフォン(スマホ)市場が変化しつつある。2015年5月にSIMロック解除が義務化され、消費者にとってはスマホと通信キャリアの選択肢が一気に広がった。

   中国のスマホメーカー華為技術(ファーウェイ)は、「SIMフリー」のスマホ端末販売に意欲的だ。「日本にも公正な競争環境が整った」と話すのは、ファーウェイ・ジャパンでデバイス・プレジデントを務める呉波氏。同社の戦略をたずねた。

  • 最新のスマホを手にする呉波氏
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日本は「アップルの国」と呼ばれている

――日本のスマホ市場は、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」がかなり強力です。日本市場の特殊性を、どう分析していますか。

 確かに業界では、日本は「アップルの国」と呼ばれています。実に特殊で、世界を見渡すと日本のような状況はどこにも見られません。
   日本では、スマホの普及率はようやく50%を超えましたが、6000万人ほどが今も従来型の携帯電話(ガラケー)を利用しています。スマホの新規契約が伸びている半面、ガラケーの買い替え需要も1000万件程度あります。さらに、端末販売の95~99%は通信キャリア経由です。世界的に見ると、キャリアがスマホ市場を主導する「最後の国」と言えるでしょう。
   日本では現在、消費者がスマホを購入するにはキャリアかMVNO(仮想移動体通信事業社)と24か月の通信契約を結ぶのが一般的で、スマホを単体で入手するわけではありません。SIMフリーのスマホを買う場合も結局はMVNOと契約しなければ使えず、(自由に端末と通信キャリアを選べる)完全な「オープン市場」とはまだ言えない状況です。私は10年前に欧州での販売業務を経験しましたが、今の日本は当時の欧州市場に似ています。オープン市場となる過渡期にあると思います。なお欧州では今日、60~80%の消費者が、通信キャリアに関係なく自分で好きな端末を購入するようになりました。
   「iPhone」に関しても、日本と世界で大きな違いがあります。数あるスマホのなかでiPhoneが「一番安く」手に入るのは日本だけです。これはキャリアによる販売店や代理店へのインセンティブや、端末価格を低く設定している影響が大きい。しかしキャリア側は、期待通りの利益を手にしているかは疑問で、今後はインセンティブといった施策への支出は減らさざるを得なくなるとみています。

――日本市場を変えるひとつの可能性が、SIMロック解除の義務化でしょうか。

 スマホの機種変更サイクルを見ると、中国では6~9か月なのに対して日本は26~40か月要しています。今のところ日本ではSIMフリーのスマホがスピーディーに浸透しているわけではないのが、お分かりいただけるでしょう。
   しかし、総務省がSIMロック解除を義務化しました。ファーウェイでは、今後3~5年でSIMフリースマホの割合が最大で全体の40%になるのではないかと予測しています。日本はようやく「公正な競争」の環境が整い、完全なオープンマーケットへと向かっている途中です。
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