内閣府など「自衛隊員にそのようなことはないと認識」
日本は、1992年からPKO法による自衛隊派遣を始め、これまでにカンボジアや東ティモール、ハイチなどに延べ27回も隊員を送っている。現在は、11年から派遣している南スーダンで、約350人が道路などインフラ整備の活動を続けている。
日本でも、かつて週刊誌で似たような自衛隊員の疑惑が報じられたことがあった。しかし、政府は、「性的搾取」などがあったことは認めていない。内閣府のPKO事務局や外務省の国際平和協力室では、取材に対し、「そのようなことはないと認識しています」と答えた。
とはいえ、どこの国でも起きえる問題だと、国連職員などとしてPKOの活動に参加したり、共に活動したりした経験がある立教大の米川正子特任准教授は言う。
「コンゴでは2005年に、南アフリカ軍などの兵士が食料との交換として少女らに1~3ドルを支払って性的交渉をしていたと報じられたことがあります。1990年代前半にPKO活動の数が急増して以降、この20年間に、同様な問題が様々なPKOの受け入れ国で起きています。犠牲者は、怖くて告発できないケースもあり、実際には、報告以上にあるでしょうね。隊員は金持ちだと思って寄ってくる女性も多く、駐留地には買春産業が栄えるとも言います。現地で問題を起こした隊員が母国に戻っても罪に問われるのはまれで、その後、違う赴任地で問題を起こすという悪循環が続いています。隊員はこうした行為を免除されてしまっており、隊員の研修も大事ですが、厳しく処罰しないとこれからも問題が続くでしょう」