民主党の小西洋之参院議員が2015年6月11日の参院外交防衛委員会で失態を演じてしまった。
3月30日の同委理事懇談会に遅刻した自民党の片山さつき委員長を猛批判してから約2か月あまり、今度は自らが同委員会に遅刻したのだ。
「数分の遅刻」を厳しく追及
小西氏はこの日の最初の質問者だった。ところが開会時に姿はなく、約3分遅れて到着した。片山氏は冒頭、小西氏の遅刻によって開会が遅れたことに言及し「二度とこのようなことがないよう、十分にご注意をいただきたいと思います」と注意。これに小西氏は「二度とこのようなことがないようにいたします。失礼いたしました」などと述べ、軽く頭を下げた。
小西議員は去る4月2日の同委員会で片山氏の遅刻を厳しく批判していただけに、バツが悪かったことだろう。
片山氏が遅刻したのは、3月30日の同委理事懇談会。定刻から2~3分後に到着したが、2月の理事会に続き2度目の遅刻だったことから野党が抗議し、会議は中止となった。これを受け、片山氏は4月2日の同委員会冒頭で謝罪した。
これに不満を示したのが、ほかでもない小西氏だった。氏は外交防衛委員会について、
「集団的自衛権の憲法解釈の変更をはじめとする安保法制など、まさに国民の皆様の命そのもの、また日本が培ってきた平和主義、国のあり方、そして日本の民主主義、立憲主義、そうしたものを議論している本当に大切な委員会でございます」
と重要性を力説。14年10月に片山氏が民主党から抗議を受け謝罪した別の問題にも触れながら「委員会の信頼を失墜させる」と片山氏の言動や姿勢を問題視した。
片山さつき氏「グズッ」と涙声
小西氏はその後も手を緩めず、
「先ほど謝罪の言葉をいただきましたけれども、申し訳ございませんが、早口で、書かれているものをお読みになっているように聞こえてしまいました」
として片山氏に「自身の言葉で謝罪を」と求めた。起立した片山氏はグズッと鼻を鳴らし、涙声で「これからもあの、ご指導を賜って......、ご指導を賜って職責を果たして参りたいと思います。本当に申し訳ありませんでした」と述べ、6秒ほど頭を下げた。これに小西氏は「深く深く猛省をお願いをいたします」と強く忠告していた。
小西氏の徹底した追及ぶりは、当時大きな注目を集めた。それだけに今回の一件を受け、インターネット上では「すごいブーメランだな」「これは恥ずかしい」などと失笑を買ってしまっている。
なお小西氏は6月9日の同委員会で、中谷元防衛相の秘書官が「憲法違反」の答弁を補佐しているとして「憲法違反のお先棒をかつぐような官僚の皆さんは絶対に許さない。政権を奪い返してから、必ず皆さんを処分する」と発言し、物議を醸したばかりだ。