高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
韓国MERSは沈静化できるか ここ1、2週間が山場だ

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   隣国韓国で中東呼吸器症候群(MERS)コロナウイルスへの感染者が急増している。日韓の人的交流は大きいので、韓国の状況は対岸の火事というわけにはいかない。

   日本政府は、WHO(世界保健機関)の状況見ながら対応を判断するとしている。MERSの流行状況について、WHOは現時点では、「国際的に懸念される公衆の保健上の緊急事態」を宣言するような事態には至っていないとしている。

   ただし、そうであっても韓国の状況は気になる。

MERSそのものに分からないことが多すぎる

   韓国政府が公表している感染者の推移をみると、まさしくネズミ算である。6月10日(2015年)段階の報道では、感染者が100人を超えたとするものばかりだった。もっとも、8日までのデータで感染者がネズミ算的に増えていることは確認でき、10日に100人をこえるのは容易に予測できる。

   感染者がどのように増加するかについて、いろいろなモデルがある。普通なら、当初はネズミ算的に増加するが、そのうち拡大とは逆のフィードバックがかかるので、一定のところで終息する。MERSの場合でもそうあって欲しいが、MERSそのものに分からないことが多すぎる。

   もし、ネズミ算的に感染者が増え続けていけば、あと2か月もすると韓国国民全員が感染という極端な計算結果になるが、そうはならないはずだ。しかし、ネズミ算的に増加した場合をあらかじめ計算して、実際の患者数がそれペースを上回るか、下回るかを見ながら、MERSの勢いを測るのは、実務的な対応だ。下振れしていれば、拡大とは逆のフィードバックが働き、沈静化の兆候と見なすことができるかもしれない。

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