関東私鉄各社「そのようなマニュアルはない」
トラブル時、車内アナウンスで乗り合わせた警察官に協力を仰ぐ――私鉄には、そんな規定はあるのだろうか。関東の私鉄8社に問い合わせたところ、JR東同様、いずれも「無い」との回答だった。各社「ケースバイケース」「臨機応変な対応が必要」としながらも、やはりそういった事例は予め想定していないようだ。中には「乗務員が車内で警察官を呼ぶというのは未だかつて事例が無い」と答えた社もあった。
トラブル発生時には、まず乗務員が無線を通じて運転指令所へ連絡、車両を近隣駅に停車させた後、対応するといった流れが基本。どうやら、今回の京浜東北線の事例は非常にイレギュラーな部類となるようだ。
調べた限りでは、日本での同じような事例は確認できなかった。一方、海外では15年4月に似たような事例が報告されている。観光のため米ニューヨークへやって来たスウェーデンの警察官4人が地下鉄に乗ったところ、なんと車内で暴行事件が発生。車掌が「誰か警察官はいませんか?」とのアナウンスを流したため、4人はニューヨークの警察官が到着するまで容疑者を取り押さえて事件の深刻化を防いだという。その模様を撮影していた乗客がYouTubeへ動画を投稿すると、瞬く間に「いい話」として世界から注目された。