中古の長期優良住宅の基準を策定
提言は具体的に、(1)宅建業法を改正して売買契約前の重要事項の説明に中に、売り主による検査の有無を明記する、(2)契約後に買い主が中古住宅の検査ができるようにする、(3)業者ごとにバラバラで分かりにくい契約書の標準的な書式を国が定める、(4)新築住宅向けの長期優良住宅の認定制度と同様の中古住宅を認定する制度を創設する、(5)物件の鑑定などの際に建物の性能やリフォームの履歴を適切に評価する、(6)金融機関が住宅ローンの担保として評価する際にも住宅の性能に応じて評価する、(7)物件の過去の取引履歴や周辺の土砂災害警戒区域の指定状況といった災害リスクなどを統合した総合データベースを作る――などのメニューを挙げている。
(5)、(6)は築20年で無価値とみなされる商習慣改善のための施策。認定制度については、すでに国交省が、既存住宅の性能評価基準と、中古の長期優良住宅の基準を策定する作業に着手している。
これらが実施されれば、「専門知識がない人が客観的評価をもとに安心して購入できるようになる」(シンクタンク研究員)ほか、「住宅の質を高めるリフォームが建物の価値として適正に評価され、中古住宅市場が定着し、取引が活発化することが期待できる」(与党関係者)。米国のドラマや映画では休日に自分で家を補修するシーンが珍しくないが、そんな常に手をかけて住宅の価値を保つことが、日本でも普通になるかもしれない。