2015年6月5日に開かれた衆院平和安全法制特別委員会で、中谷元防衛相は集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法案について「現在の憲法をいかに法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえて、閣議決定を行った」と述べた。
委員会では民主党の辻元清美議員が、4日の衆院憲法審査会で3人の参考人全員が「違憲」と指摘したことを受けて「政府は1回法案を撤回すべきだ」と要求した。これに中谷防衛相は
「国民の命と平和な暮らしを守っていくために、憲法上、安全保障法制はどうあるべきかは、国の安全にとって非常に大事なことである。こういった観点で与党で議論し、現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論をふまえ、閣議決定を行った」
と答弁した。集団的自衛権の行使容認という結論があった上で、解釈変更を進めたことをほのめかした形だ。発言に対しては、日本共産党の志位和夫委員長が7日、ツイッターで「憲法と法律のどちらが上位か。その分別すらない発言に驚く」とコメントするなど波紋を広げている。