ソフトバンクに3連敗。セ・リーグの首位巨人は打線の弱さをさらけだした。今後に不安がいっぱいだ(記録は2015年6月7日現在)。
最多本塁打が5本と影薄い
巨人vsソフトバンクは、セとパの首位同士の対決とあって注目された。結果はソフトバンクの3連勝。
深刻なのは巨人である。
「ソフトバンクの打線がプレッシャーをかけていた」
巨人のプレッシャーに負けた、というケースがほとんどだけに、その逆。驚くコメントといえるだろう。
プレッシャーを受けたのは投手陣だけでなく、打線もそうだったに違いない。ソフトバンクの中軸は本塁打を打ちまくっている。柳田(13本)内川(6本)李(16本)松田(13本)。
これに対し、巨人は最多本塁打が5本(片岡、長野、坂本)である。
セの本塁打を見ても、ヤクルト畠山の16本、DeNAの筒香、ロペスが各11本と打ち、巨人打者は影が薄い。
スモールベースボールに徹する
評論家も「巨人は打てない」と口をそろえる。
チーム打率も低い。巨人は2割3分台で阪神をやや上回る程度で、セの下から2番目にあえいでいる。
長打力を期待された阿部は2本塁打しか打てず、7日には「首痛」で登録抹消となった。今シーズンは一塁手としてスタートしたが、開幕して間もなく捕手へ逆戻り。不運が重なっている。
頼りの外国人選手は今のところ期待通りとはいかない。アンダーソンはまだ3本塁打だ。
投手陣は菅野が頑張り、新人の高木勇が好投を続けているものの、これまでの実力者が勝てない。杉内、大竹がパッとしないし、内海は5日のカムバック戦、対ソフトバンクで足がつって降板。また二軍へ。
実は、この状態でありながら首位にいることに、専門家は驚く。
「原監督の選手起用で勝っているといっていい。打線が振るわないので、中軸打者にもバントをさせている。スモールベースボールに徹底している戦い方だ」
長いペナントレースを見通すと、決して楽ではない。ありとあらゆる作戦をぶつけていく巨人の姿が予想される。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)