焼き肉用の肉盛り合わせは加工食品?
しかし、食品表示法は野菜や魚を切り分けただけであれば「生鮮食品」とみなすが、味付けをしたり、複数の生鮮食品を盛りつけたりすれば「加工食品」と扱う。この分類に従えば、松坂牛のステーキ肉は生鮮食品で税率が低くなるが、焼き肉用の肉盛り合わせは加工食品で通常の税率となる。同じことがマグロの刺身と「お刺身3点盛りパック」、牛挽肉と合い挽き肉などにも当てはまり、与党税制協議会の検討委員会では「分かりづらい」との声が相次いだ。
現実問題として、一人暮らしの高齢者や低所得世帯は、総菜や弁当などの加工食品を購入して食事を済ませることも多い。与党からは「生鮮食品だけを対象にするのは不十分」との意見も出ている。また、松坂牛など高級品も対象となるため、高所得者の方がむしろ恩恵が大きくなることを問題視する声もある。
与党は今後も議論を続け、今秋に最終案をとりまとめることを目指している。ただ、対象品目の選定に加え、具体的な導入時期や税収が減る分の穴埋め策など論点は多く、関係者の頭を悩ませる日が続くことになる。