東京都「通訳業ではなく、外国人の方々と多言語で会話する程度」
一方、東京都産業労働局観光部はJ-CASTニュースの取材に対し、「誤解されている」とした上で、「『民業圧迫』という声は今まで全く受けていない」「夜間に業務があるわけではない」と反論する。観光ボランティアは国や地方公共団体の依頼で初めて派遣され、常に業務についている状態ではないという。「平日、土曜及び週休日のあさ8時半からよる9時まで」はあくまで活動可能な時間帯を示しているに過ぎず、「1日2時間という場合もある」とした。
訪日外国人の観光ガイドや通訳、翻訳を仕事にする通訳案内士は国家資格を持ち、彼らを専門に派遣する民間企業もある。無償のボランティアガイドは適法だが、企業からの抗議は無いのかという質問には「全くない」と断言する。
担当者によると、ボランティアの業務は「業としての通訳ではなく、外国人の方々と多言語で会話する程度」だという。「通訳案内士に報酬を与えて派遣する手もあったのでは?」との質問には、「ボランティアとして活躍頂ける場を提供したいという思いだ」と語った。
そもそも、東京五輪へ向けての通訳ボランティア育成は舛添要一・東京都知事の掲げる構想の1つだった。舛添知事は14年2月12日、読売新聞の単独インタビューに応じ、「東京五輪・パラリンピックに向けて多数の通訳ボランティアを養成する」と明言している。
ちなみに、都の観光ボランティアをめぐっては制服デザインもまた、物議を醸している。「おもてなし東京」チームで活動する場合、青いベストをプリントしたポロシャツに日の丸があしらわれたハットを着用するが、これがネット上で「ダサい」と不評を買っているのだ。デザインを手がけた藤江珠希さんは15年6月4日、ファッション情報サイト「Fashionsnap.com」の取材に「権利上の問題などで変更になった点もありますが、私なりにベストを尽くしてデザインさせて頂きました」と答えている。