何でもできるクールな2枚目を演じることが多い、俳優としてのSMAP木村拓哉さんについて、
「拓哉は金太郎飴ですよ。何の役をやっても『キムタク』だよね」「42歳にもなって、いつまでもキムタクのままではいられないだろうから」
と父・英夫さんが週刊誌のインタビューで語った。
放送中のドラマ「アイムホーム」(テレビ朝日系)では今までとは違い、悩み多きサラリーマンを演じているが、はたして俳優としての新境地を見せることはできるだろうか。
「『嫌なヤツ』と思われるような汚くてズルい役をやってほしい」
木村さんの演技について、英夫さんはFRIDAY(2015年6月12日号)で、
「拓哉は金太郎飴ですよ。何の役をやっても『キムタク』だよね。昔の俳優さんはそれで良かった。でも今はそうじゃないですよね」
と指摘。同じSMAPの稲垣吾郎さんや草なぎ剛さんのように色んな役をしたほうがいいとし、
「周りから『こういう役じゃないとマズい』と気を遣われるのではなく、ファンから『嫌なヤツ』と思われるような汚くてズルい役をやってほしい。42歳にもなって、いつまでもキムタクのままではいられないだろうから。俺は飽きた(笑)」
と語った。
確かに木村さんといえば、フジテレビの月9ドラマ「HERO」の久利生公平のように、演じるのは「できる2枚目」ばかり。平均視聴率20%超が当たり前だった主演ドラマも、最近は「南極大陸」(18%)、「PRICELESS」(17.7%)、「安堂ロイド」(12.8%)とやや停滞気味。「主演キムタク」の神通力が通用しなくなってきたともいえる。
しかし放送中の「アイムホーム」では今までと少し違う顔を見せている。事故の後遺症に苦しみ、離婚した前の妻子といまの家庭とのはざまで苦しむサラリーマン、という役だ。1人称は「ぼく」が多く、気弱にも見える場面もあり、今までのクールな2枚目とは異なる印象だ。
「アイムホーム」は新境地?
「アイムホーム」は視聴率こそ第7話終了時点で13.9%と伸び悩んでいるが、
「落ち着いたいいドラマだと思うなぁ。キムタクの芝居がすごくいい」
「キムタクのアイムホームいいね。新しい境地って感じがする」
「普通の男性が描かれていてキムタク色も消えていて良いのかもしれない」
とツイッターなどでは好評だ。
いつもは辛口の芸能評論家の肥留間正明さんも「やっと肩の力が抜けたな、親父になったな、という感じ」と高評価だ。これまでは若作りしたような役が多かったが、年相応になって新たな一面を見せているという。
視聴率についても今の基準なら悪くないとし、
「中年になった若い時からのファンも『ようやく私たちと同じ年代の役を演じるようになった』と喜んでいるでしょう」
と見立てを述べた。
今作「アイムホーム」が俳優として転換点になる可能性があるとし、
「メークをわざと老け顔にするなど演じる役の幅を広げていけば、『SMAPのキムタク』から『俳優・木村拓哉』として脱皮できるかもしれない」
と語った。