韓国で「核武装論」勢いづく 大手紙論説主幹も「選択肢」主張

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世論調査では7割が核武装に前向き

   日本ではあまり知られていないが、韓国世論は核武装にはきわめて前向きだ。韓国のシンクタンク「東アジア研究院」(EAI)が行った世論調査によると、04年には核武装への賛否が49%ずつで拮抗していたが、翌05年には賛成の割合が67%に急増。しばらくは65%前後で推移してきたが、13年には73%、14年には69%と高い水準が続いている。13年に急増した背景には、12年には北朝鮮は4月、12月の2回にわたって事実上の弾道ミサイル発射実験を行ったことがあるとみられる。

   こういった世論にメディアがブレーキをかけていた側面もあったが、世論はさらに北朝鮮の「核の脅威」を意識させられることになりそうだ。韓国メディアは6月3日、米上院で審議されている国防授権法案で、北朝鮮が「核武装国(nuclear-armed country)」と表現されていることをいっせいに報じている。これまでの「核保有国(Nuclear Weapon State)」という表現とは異なるものの、「一部からは、米国議会が北朝鮮を事実上の核保有国と見なし始めたのではないか、という解釈が出ている」(朝鮮日報)。こういった動きが核武装論をさらに勢いづかせる可能性は高い。

   ただ、現時点では、大手紙で核武装論が主張されることは珍しい。例えばソウル新聞は6月4日付の論説で、前出の「恐怖のバランス」を追及するために核を保有することは「私たちの核技術力をもってすれば可能」だと論じたが、「韓米同盟の瓦解まで覚悟していない限り、不可能だ」とも指摘。現実的には困難だとの見方を示している。

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