ウォン高に中国企業の台頭で韓国の輸出激減 まるで「10年前の日本」のようなピンチ到来

糖の吸収を抑える、腸の環境を整える富士フイルムのサプリ!

韓国の輸出企業、「ようやく海外移転に動いている」

   急激な円安に加えて、最近は中国経済の後退もある。韓国の輸出の約25%を占めるとされる中国向けの輸出が、そのために減少している。さらには、スマートフォンに代表される中国企業の台頭が急なこともある。前出のニッセイ基礎研究所の斎藤誠氏は「ちょうど10年ほど前の日本に似ています」といい、いま韓国が中国企業に市場を追われる状況は、かつてウォン安を背景に韓国企業に市場を奪われた日本のようと指摘する。

   韓国の輸出企業が苦しむのは、こうした外部環境の急変への対応が遅れたことが要因の一つ。たとえば、円高時代の日本は製造業を中心に生産拠点を海外に移したが、ウォン高にある韓国の輸出企業は「いま、ようやく海外移転に動きはじめているところ」(斎藤氏)と腰が重い。

   動きが鈍いのは輸出企業が値引きで輸出量を維持しながらも、どうにか利益を得て生きながらえていられるから。輸出企業の多くがサムスン電子や現代自動車、鉄鋼のポスコといった、体力のある大手に集中していることもある。

   ウォン高になっても、注文から実際の輸出まで2年程度かかるので、輸出統計にすぐに変化が表れない。そのためにウォン高の深刻さに気づかなかったとの見方もある。

1 2
姉妹サイト