ゆうちょ銀就活セミナーで「学歴フィルター」発覚か 日東駒専は「満席お断り」、東大と書けば「予約可」

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   アカウント消される覚悟で呟くわ――2015年6月1日、2枚の画像がツイッターに投稿された。ゆうちょ銀行が開いた就活生向けセミナーの申し込み画面とみられるが、「登録した自分の学校名」によって、申し込めるかどうか決まる。いわば学歴が「足きり」に使われているというのだ。

「学歴フィルターだ!」

   ツイートは大反響を呼び、トレンドランキングの上位にも食い込んだ。あまりの反響に驚いたのかツイートは既に削除されてしまっている。

  • 「学歴フィルター」は存在した…?(画像はイメージ)
    「学歴フィルター」は存在した…?(画像はイメージ)
  • 「学歴フィルター」は存在した…?(画像はイメージ)

「学歴フィルターは本当に存在した」

   ツイート主の説明によると、1枚目が「日東駒専」と登録して申し込んだもの、2枚目が「東京大学」と登録して申し込んだものだそうだ。画像を見る限り、1枚目は満席、2枚目は予約可と表示されている。

   ゆうちょ銀行のセミナーは6月20日と21日に東京で開催される予定らしい。人事担当者や先輩社員による座談会、会社説明、就活アドバイスなどのプログラムが用意されているという。ただ、参加者の募集方法に関し、大手求人サイトを通したものか、自社サイトに設置された特設ページ等を通じてのものか、画像を見る限りでは判断できない。

   一方、ツイート主は、

「学歴フィルターは本当に存在した」

と断言している。その後、ツイートは掲示板や各種まとめサイトなどに転載され、ネット上で大きな話題となった。

   ツイッターでは「人生そんなもん」「やっぱそーだよな...」といった諦めを含んだコメントや、「これ本当なら最悪」といった怒りの声が寄せられている。

   ゆうちょ銀行はJ-CASTニュースの取材に対し、「ネット上でこのようなご指摘があることは承知しております。新卒採用につきましては、面接や適性試験などにより、能力、適性及び人物像を総合的に判断して行っており、学校名を選考要件とはしておりません。なお、当該セミナーへの参加につきましては、採用選考とは直結せず、有利になることもございません」との回答を寄せたものの、具体的な事実の有無に関しては明言を避けた。

「私全部満席表示されてる...」

   いわゆる「学歴フィルター」については、今までも度々言及されてきた。セミナー・説明会への参加や面接など、就職活動のさまざまな場面で施された有名大学に有利に働くような仕掛けを示す言葉だ。かつてはインターネット上で頻繁に使われていたが、14年には朝日新聞や日経新聞などのマスメディアも次々報道し始め、知名度も上がった。

   学歴フィルターを明確に認めた日本企業は現れていないものの、就活経験者や専門家の間では公然の秘密だとされている。

   人材コンサルタントの常見陽平さんはニュースサイト「NEWSポストセブン」に15年1月25日寄せたコラムで、「学歴差別は、あります」「就活は『偽装された自由競争』」と指摘する。

   また、「学歴フィルター」をテーマにした4コマ漫画も作られ、ネット上で話題となった。「とても賢い国立大」の彼氏に届いたセミナー案内メールが、「私立の女子大 総合職希望」の彼女には届かない。セミナーの予約状況を携帯電話で確認した彼氏が「空席ばっかだよー」とアドバイスするものの、彼女は「私ぜんぶ満席表示されてる...」と青ざめる。似たような経験をした人が多いのか、「就活あるある」として受け止める人も多いようだ。その他、ネット上には同じような体験談が膨大な数転がっている。

   このような「差別」には法律上何か問題があるのだろうか。

   星正秀弁護士が15年3月25日に情報サイト「シェアしたくなる法律事務所」に寄せたコラムによると、「今後、何らかの立法がなされ、学歴フィルターが禁止されるかも知れませんが、今のところ禁止する法律もないので、違法ではありません」という。

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