消費増税などによる物価上昇に賃金アップが追いつかず、マイナスが続いていた実質賃金が2年ぶりにプラスに転じた。厚生労働省が2015年6月2日に発表した4月の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価の影響を加味した実質賃金は前年同月比0.1%増だった。プラスになったのは2013年4月(0.4%増)以来のこと。基本給などの「所定内給与」の伸びが寄与し、わずかだが物価の上昇を上回った。
労働者1人あたりの平均賃金を示す「現金給与総額」は、0.9%増の27万4577円で、2か月ぶりのプラスとなった。現金給与総額のうち、所定内給与は0.6%増の24万3293円で、2か月連続で増えた。今春闘で大手企業を中心としてベースアップが相次いだことなどがプラスに働いたとみられる。
賞与などを含む特別に支払われた給与は14.9%の伸びだった。残業代などの所定外給与は2.3%マイナスで、2か月連続で減少した。