株価急落で「gomi」とまで言われたgumiが一転黒字 「ジェットコースター」業績予想に投資家困惑

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   ベンチャー企業が上場した直後に株価を急落させる「上場ゴール」の象徴的存在として非難を集めたスマートフォンゲーム会社gumi(グミ)が、また市場を騒がせている。黒字の業績予想を掲げて上場したわずか3か月後には赤字に下方修正し、その3か月後には再び黒字に修正するというジェットコースターのような乱高下だ。

   上方修正で株価はストップ高を記録はしたものの、ガバナンス上の問題は数多く指摘されており、信頼回復への道は遠そうだ。

  • gumiの株価は業績下方修正で大暴落した(写真はYahoo!ファイナンスのグラフから)
    gumiの株価は業績下方修正で大暴落した(写真はYahoo!ファイナンスのグラフから)
  • gumiの株価は業績下方修正で大暴落した(写真はYahoo!ファイナンスのグラフから)

上場から数か月で黒字から赤字に下方修正するのは珍しい

   gumiは2014月18日に東京証券取引所第1部に直接上場した注目銘柄だったが、今となっては上場だけを目的とする「上場ゴール」の「主犯格」だとみなされている。問題になっているのは15年4月期の連結業績予想だ。営業損益で見ると、14年12月18日の上場時には13億2900万円の黒字を見込んでいた。ところが、わずか3か月後の3月5日には、4億円の赤字に転落する見通しを発表。上場後わずか数か月で業績予想を黒字から赤字に大幅下方修正するのはきわめて異例で、「市場への裏切り」だと受け止める向きも多かった。

   公開価格は3300円だった株価は下落傾向だったが、この発表が投資家に嫌われて3月6日、9日の2営業日連続でストップ安まで売り込まれ、1581円まで暴落した。

   3月6日には、1月30日付で30億円を無担保で借り入れていたことを発表。運転資金を借り入れていたことを1か月以上発表しなかったということは、投資家がその間にgumi株を売って損失を免れる機会を奪ったに等しく、この点でも大きく信頼を失った。

   この後もマイナス材料は続いた。3月19日には、韓国子会社で数千万円の横領が行われていたことも発覚。4月10日発表された調査結果では、コーポレートカードの私的利用2600万円、取引実態のない支払い1200万円があったと認定された。3月27日には全体の1割強にあたる100人の希望退職を募集。64人が応募したことが4月30日に発表された。

「業績予想もグミのように弾力的ですね」

   ところが、2か月後の6月1日になって一転、4億円の赤字だとしていた営業損益を4億1600万円の黒字に情報修正した。実に8億1600万円の上方修正で、その内訳を(1)増収効果5億7000万円(2)3月以降に推し進めたコストの合理化による固定費抑制で2億4600万円、と説明している。

   6月2日のgumiの株価は 前日比300円高の1798円のストップ高まで急騰した。

   だが、上場時の公開価格3300円、13億2900万円の黒字には遠く及ばない。そういったこともあって、この上方修正は、ツイッター上では

「業績予想もグミのように弾力的ですね」
「翻弄される投資家。あきれる東証」

などと懐疑的に受け止められ、これらのツイートは株式関係の有名まとめサイト「市況かぶ全力2階建」で「急ピッチのgomi化に少しブレーキかかる」という見出しつきで皮肉まじりに紹介された。

   決算発表は6月12日。投資家は、本当に「一息ついた」と言えるのかを注意深く見守っている。

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