期末配当を無配にすると表明
インフラ関連工事の原価総額を予め見積もる際、見解の相違で金額に幅が生じる可能性を指摘する声がある一方、在庫の評価などは「単純な会計処理で、インフラ関連と比べて意図的だった可能性が高い」と、インフラ関連以外の「悪質性」を指摘する声もある。不適切会計の調査対象が広がっただけでなく、問題の根深さという面でも事態は深刻化していると言えそうだ。
東芝は第三者委員会の結果を7月中旬までにまとめ、2015年3月期決算の発表も8月に先送りになる見通し。例年6月下旬に開かれる定時株主総会で業績の報告もできないことから、ここでは問題の経緯を報告するにとどめ、調査結果と決算を踏まえ、9月にも改めて臨時株主総会を開く方向で検討を進めている模様だ。すでに期末配当を無配にすると表明しており、株主の反発は高まっている。問題の背景に何があったのか。投資家の信頼回復には、第三者委による徹底した実態解明が不可欠となる。
経営責任についても、とりあえず社外取締役を除いて全役員の報酬を最大50%返上する方針と伝えられるが、それで済むと見る者は社内にもいない状況だ。