「では若者に死ねと言うのか」 高齢者の「年金減額取り消し訴訟」に現役世代が猛反発

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   2.5%引き下げられた年金減額の措置を違憲だとして、全国の年金受給者が国の決定取り消しを求めた訴訟に波紋が広がっている。

   原告によると、生活の苦しい受給者から「年寄りは死ねと言うのか」という声が届いているというが、今の高齢者よりも負担率がはるかに高い現役世代からは「若者に死ねっていうんだな」と反発は大きい。

  • 年金減額訴訟に現役世代からは反発する声
    年金減額訴訟に現役世代からは反発する声
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「なぜ年金を下げる。年寄りは死ねというのか」

   2015年5月29日、全国の年金受給者約1500人が国を相手取り、2013年10月から15年4月にかけて段階的に2.5%行われた減額措置は違憲だとして決定を取り消すよう訴訟を起こした。

   公的年金は物価の変動によって給付額が変わる仕組みだ。今回減額が行われたのは、00年~02年度に物価が下落したが、景気対策のために給付額が据え置かれて水準より2.5%高くなっていた分を調整するためだ。

   訴状などによると原告は、この減額措置を「合理性を欠くもの」とし、「健康で文化的な最低限の生活」を保障する憲法25条に違反すると主張している。

   報道によれば、原告団長で全日本年金者組合・東京都本部執行委員長の金子民夫さんのもとには、

「もう節約なんてギリギリだ。本当にもやしばかり食べなければいけないのでしょうか」
「収入は年金だけだ、支出は増える一方だ。なぜ年金を下げる。年寄りは死ねというのか」

という声が届いているという。記者会見では高齢者の窮状ぶりを訴えたようだ。

   しかし、こうした年金受給者の訴えに対し、年金制度を支える現役世代からの反発は大きい。背景には、現役世代は今の高齢者に比べて、負担した分の割に支給額が少なくなることへの不平感があるようだ。

   厚労相の諮問機関、社会保障審議会が12年に発表した資料によると、20~60歳に厚生年金に加入したモデルケースの場合、1940年生まれは保険料の負担額が900万円で、年金給付額は4300万円(65歳以降分のみ)。しかし1980年生まれは負担額が4500万円で、給付額は1億400万円。負担と給付の割合を見ると、40年生まれが約4.8倍の給付を受け取るのに対し、80年生まれは2.3倍ほどしか受け取れない。

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