3次元的な計算方法を確立しないと、予測は難しい
気象庁の地震津波防災対策課はJ-CASTニュースの取材に対し、深発地震を推定する難しさを語った。今回緊急地震速報が出なかった理由は、何らかの異常のせいではなく、「技術的な限界」があったためだという。先述した通り、現行システムでは深さ150キロ以上を震源とする地震が発生した場合、正しい震度を推定できない。
担当者によると、地表近くで発生する地震が同心円的に揺れを伝えるのに対し、地下深くに発生する地震は複雑な伝わり方をするという。3次元的な計算方法を確立しない限り推定は難しい、と明かした。
さらに、深発地震の事例は少なく、地震学の研究も追い付いていない。担当者は、深発地震への対応には「地震学の技術的、科学的な知見がまだ足りない」と語った。
もちろん研究の進展には時間がかかる。「いつ頃改善されるのか」という記者の質問に対しては、数か月というスパンではなかなか難しいと答えた。