小笠原西方沖で2015年5月30日夜に起きた地震は、震源から1000キロ以上離れた仙台や福岡など、日本全国で揺れを感じる珍しいものだった。特に首都圏では最大で震度5強を観測し、エレベーターに閉じ込められたりするトラブルが相次いだ。
発生直後、気象庁は地震の規模をマグニチュード(M)8.5と発表。11年の東日本大震災(M9.0)に次ぐ規模の数字だったこともあり、5月29日に起きた口之永良部島の噴火と合わせ、ちょっとした関心を集めている。
全47都道府県で震度1以上の揺れを観測
地震は5月30日20時24分頃起き、震源に近い東京都小笠原村母島と神奈川県二宮町で震度5強を観測したのをはじめ、全47都道府県で震度1以上の揺れを観測した。震源の深さは当初590キロメートルだと発表されたが、5月31日には分析を反映した結果として682キロに修正された。規模が大きく、震源が深かったことが広い範囲で揺れた原因だ。
特に首都圏では大きな揺れを観測。揺れがプレートを伝わったため、あまり弱くならなかったことが原因だとみられるが、鉄道各線が一時運転を見合わせるなど大きく混乱した。エレベーターも少なくとも数千台が停止。渋谷ヒカリエでは男性が閉じ込められたほか、六本木ヒルズ森タワーや横浜ランドマークタワーでは展望台の来場者が足止めされた。