日本人レーサーが活躍
トヨタはレクサスRCのほか、「レクサスLFA Code X」がSP-PROクラス(排気量3リッター以上)で優勝。総合でも14位となり、チームを率いる「TOYOTA GAZOO Racing」のモリゾウこと豊田章男代表(トヨタ自動車社長)は「私の場合は順位よりも、みんなでマシンを仕上げ、最後まで2台そろって完走できたことがうれしい」と語った。
日産は「日産GT-R GT3」が総合9位(クラス9位)でフィニッシュ。「近年の参戦では最上位の結果」(NISMO=ニッサン・モータースポーツ・インターナショナル)となった。ドライバーを務めた星野一樹選手は「日産GT-R GT3の信頼性、ポテンシャルを証明することができた。来年はさらに上を目指して頑張りたい」とコメントした。
今回のレースは、日産チームの星野選手はじめ、トヨタ、スバルとも日本人レーサーの活躍がチームの好成績に結びついたことも特筆される。とりわけトヨタはレクサスLFAが影山正彦、石浦宏明、大嶋和也、井口卓人、レクサスRCが木下隆之、佐藤久実、蒲生尚弥、松井孝允の各選手と、参戦した2台とも全員が日本人レーサーだった。
この点、スバルは4人のドライバーのうち、日本人は山内英輝選手。日産も4人のうち、日本人は星野選手だけで、ニュルブルクリンクに慣れた外国人スペシャリストの存在も大きかったようだ。
ニュルブルクリンクには北コース(ノルトシュライフェ)とGPコースがあり、24時間レースは両コースをつなぐ25キロで行われた。とりわけ北コースは約300メートルの高低差があるほか、低速から超高速まで大小170ものコーナーがあるため、ポルシェ、BMWなど欧州メーカーは古くから市販車開発のテストコースとして活用し、クルマの完成度を高めてきた。1990年前後から日産がGT-R、スバルがインプレッサWRXなど高性能車の開発をニュルブルクリンクで行い、最速タイムを公表するなどしたため日本でも知名度が上がり、今回のレースもスポーツ専門放送局JSPORTSやインターネット動画サイトUstreamで放送された。