深刻バター不足が慢性化 背景には生乳の生産量の減少

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生産量増えても、バターにはなかなか回らない?

   一方、国産バターの原料となる生乳の生産量をみると、2014年度は13年度と比べて1.7%減の706万6870トンだった(中央酪農会議が2015年4月15日に公表、沖縄県を除く)。

   生乳は腐敗しやすいため、まず最も生鮮性が求められる牛乳や生クリームなどに加工され、保存性の高いバターや脱脂粉乳などは最後に加工される。つまり、簡単にいえば、牛乳を飲めば飲むほどバターに回る生乳が減るということ。

   14年度分を用途別にみると、牛乳向けは前年度比1.1%減の327万1258トン、生クリーム向けは0.6%増の134万8965トンだったが、バターなどの特定乳製品向けは4.1%減の153万7931トンと大きく減った。2年連続の減少で、バターの在庫不足につながったとされる。

   最近のバター不足について、農水省は「2013年の猛暑の影響で乳牛に乳房炎などが多く発生したことや、輸入飼料の高騰などで酪農家が廃業に追い込まれるなど、乳牛頭数が減っていることによって生乳の生産量も減少しています」と説明。それに伴い、バターの生産量も減少し、在庫量が大きく減ってしまったという。

   酪農の担い手不足は深刻で、一両日中に解決するような問題ではない。また、そもそも農水省は酪農家を守るためバターの輸入を制限してきた経緯もあり、十分な量が市場に出回るにはなお時間を要するとの見方がある。

   農水省は当面、追加輸入でしのぐつもりなのかもしれないが、バター不足は慢性化しつつあるようだ。

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