「格安スマホ」で市場は激化
一方、業界トップで積極的な企業買収を進めたソフトバンクは売上高が30.1%増の8兆6702億円、営業利益は8.8%減の9827億円の増収減益になった。前期に一時的な利益2538億円があったための減益で実質的には増益基調だ。
ソフトバンクには及ばなかったが、ドコモを初めて抜いたKDDI。だが、「我々が驚くほど利益を伸ばしたわけではない」(田中社長)と淡々としたものだ。確かにドコモは前期まで8000億円台の営業利益を出してきただけに、22%の減益となったドコモ側の「敵失」とも言え、一喜一憂している余裕はないということかもしれない。
国内の携帯電話市場は伸び悩んでおり、「格安スマホ」の登場で競争は一層の激化が予想されている。先行き不透明感が強まる事業環境のなか、大手3社が今後の事業をどう展開していくか、注目される。