大阪都構想をめぐる住民投票で反対票が多数になり、構想を主導した大阪維新の会の橋下徹代表(大阪市長)が政界引退を表明した。橋下氏の市長としての任期満了日は2015年12月18日。それ以降は政界から足を洗う考えだ。
当然、注目されるのは橋下氏の後継だ。すでに都構想賛成派、反対派ともに複数の名前が取りざたされており、中でも異色なのがお笑いタレントのたむらけんじさん(42)。たむらさんは住民投票直前に都構想に関する「勉強会」を開いたことが話題になり、政治にも「色気あり」と見る向きもあるようだ。
勉強会後「自分なりに勉強して賛成に投票しました」
橋下氏は、住民投票の結果が明らかになった直後の5月17日深夜の会見で、
「維新は僕の個人商店じゃないんだから。特に大阪維新の会は優秀なメンバーがたくさんいる」
などと述べた。橋下氏の政界引退で維新の求心力が低下することを指摘されたことに対する反論だ。だが、15年11月にも行われる大阪府知事、大阪市長の「ダブル選」の後継候補を、人材不足の維新所属議員から擁立できると見る向きは少ない。
そこで可能性として浮上しているのが「外部起用」。その中でも名前が取りざたされているのが、住民投票に直前開かれた都構想に「勉強会」に関係する人物だ。
「勉強会」は、たむらさんが企画し、5月13日に開かれた。講師役にニュースキャスターの辛坊治郎氏(59)を迎え、約300人が2時間にわたって都構想について学んだ。勉強会の性格は「中立」だと説明されていたが、たむらさんには「勉強会は賛成寄り」などとする批判ツイートが殺到していた。たむらさん自身も、勉強会の時点では都構想には「中立」だったと説明していたが、後に、
「僕は勉強会をやらせてもらって学び、その後自分なりに勉強して賛成に投票しました」
と説明している。住民投票の結果判明後の5月19日未明には、ツイッターに、
「僕の今の率直な気持ち。『橋下さん辞めさせてええの?』大阪の皆さん、何か感じてよ!以上!」
「もう、貴方をいらんと言うた大阪はよろしい、日本をお願いしたい!と僕は個人的に思ってます!」
と書き、橋下氏へのシンパシーを隠さなかった。こういった発言に反応する形で、たむらさんのツイッターには、
「その熱意で市長を」
といった声も寄せられている。