タレント・演出家のテリー伊藤さんによる歯に衣着せぬ発言が、またしても波紋を呼んでいる。今度はNHKの番組に出演し、今のNHK番組は60~80代しか見ない、ミニスカートをはいた子が司会をやるだけで視聴率は上がる、などと提言したのだ。
番組放送中からテリーさんの発言に疑問を呈する声が続出、ネット上で物議を醸している。
NHK記者とテリーが「ミニスカート」論争
テリーさんが出演したのは2015年5月23日に放送された「ハーバード白熱教室」(NHK)。
インターネットの中でニュースや映像コンテンツがどのような役割を果たすべきか、公共放送はどんな情報をどんな手段で発信するべきか。「公共放送の未来」をテーマに、マイケル・サンデル ハーバード大教授とNHK含む世界各国から集まった公共放送局職員らがスタジオで議論した。
テリーさんの発言は「視聴率の低いまじめな番組」と「視聴率の高い娯楽番組」どちらを優先的に作るべきか、という議論の中で飛び出した。
サンデル教授から民放出身者と紹介されたテリーさんは、まじめな番組だからといって視聴率を取らないのは間違い、と持論を語り、「今の番組だとNHKは60代、70代、80代しか見ないという現状。どこか固いです」「たとえばミニスカートをはいたかわいい子が司会をやるだけで数字は上がります。批判はあるかもしれないが、それによって若い子が見てくれれば、それでまた良いと思うんですよね」と続けた。
これを受け、サンデル教授はNHK報道局所属の草場武彦記者に話を振る。草場記者は、ミニスカートかどうかは別だが多くの視聴者に見てもらう努力を今後も続けなければならない、としたものの、ミニスカート発言については否定も肯定もしなかった。
しかし、サンデル教授は「私はあなたがテリーさんにもっと強く反論するだろうと思っていた。彼はまじめな討論番組の視聴率を上げたければ若いミニスカートの女性に司会をさせればいいと言ったんですよ?賛成ですか?」と改めて問いただした。
草場記者は慌てて「No」と否定し、ミニスカートの女性を出すと視聴者に違った空気感を与える、それが逆にマイナスに働くかもしれないと語った。
発言を否定された形のテリーさんは割り込むように「ミニスカ―トがマイナスになるんですか?」と反論、草場記者はこれに「わかりません!大事なのはミニスカートではなくて、ちゃんとしたミニスカートを穿いた女性がちゃんとした議論が出来るかどうかであって...」と応戦した。2人の間に座るイギリス国営放送(BBC)職員は、苦笑いを浮かべていた。
雰囲気を変えようと考えたのか、テリーさんとともにゲスト出演した二ワンゴの杉本誠司・代表取締役社長が「僕らは番組の中のアイデアや企画にどうやってオーディエンスに近いアイテムを入れていくのかをもっと考えなきゃいけない」とまとめた。
「ミニスカポリス」ではスカートの中を撮影
「ミニスカ―ト」発言は、放送中からネット上で物議を醸していた。ツイッターには、
「ミニスカ履いた可愛い子が司会してれば若者はテレビを観るとかいう意識のやつがつくってる日本のテレビをこの先観ることはないだろうな」
「そうやってテレビの人たちが若者をバカにしてるから、若者が離れていくんだってば」
と相次いで批判が寄せられた。中にはジェンダー的な観点からテリーさんの発言を時代遅れだと指摘する人もいる。
しかし、一方で、
「実際間違ってないから。テレビってそーゆー層のものだし」
「美男美女出てれば見る層は確かに少なくなさそう」
とテリーさんの意見に共感を示す声もないわけではない。
ちなみに、テリーさんは1996年から2001年まで深夜放送されたバラエティ番組「出動! ミニスカポリス」(テレビ東京など)を企画していた。
さとう珠緒さんや来栖あつこさんなど数多くの有名タレントを生んだ番組だが、出演するグラビアアイドルやレースクイーンを脱衣させたり、全裸の男性が追いかけたりと、お色気要素に満ち溢れていた。
テリーさんもたびたび番組に登場、ミニスカートの間にカメラを忍ばせて中を撮影するなど大活躍していた。その模様はYouTubeにアップロードされた「ミニスカポリス パンチラ集」などの動画に収められている。