スズキ「万年2位」返上へ ダイハツとのトップ争い、熾烈

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   スズキが国内の軽自動車市場でシェアにこだわる姿勢を鮮明にしている。軽自動車は2015年4月の軽自動車税の増税で販売が落ち込み、4月は前年同期比22.5%減の大幅減だった。

   それでも「打倒ダイハツ工業」とばかりにシェアを奪いにいくのは、「社内を奮い立たせて攻める必要がある」とのトップの判断があった。

  • 2強のシェア争いの結果が注目される(画像は「ハスラーX」 スズキのプレスリリースより)
    2強のシェア争いの結果が注目される(画像は「ハスラーX」 スズキのプレスリリースより)
  • 2強のシェア争いの結果が注目される(画像は「ハスラーX」 スズキのプレスリリースより)

万年2位を返上へ

「8年くらいトップ争いから脱落していたが、万年2位ではいけない」

   5月11日、東京都内での決算発表会見の席上、スズキの鈴木修会長兼社長はこう力を込めた。

   実際、スズキは近年、むしろシェアにはこだわらない立場だった。ダイハツとの販売競争で消耗し利益を確保しにくくなったこともあって、シェアや台数を追わない戦略に転換し、暦年で言えば2006年を最後に軽自動車販売でトップの座から遠ざかっていた。ダイハツとの販売台数の差は開き、シェアはじりじり下げたものの、利益を生む体質には変わった。

   再度の転機は昨年夏ごろだと、鈴木会長は決算会見で明かした。きっかけは2014年1月発売のスポーツ用多目的車の新型軽自動車「ハスラー」の販売が予想を上回って好調に推移したことだった。軽と言えば女性がドライバーのことが多いが、ハスラーは男性に人気となり、新たな市場を掘り起こした面もある。

   「(2014年)8月以降からトップを取りに行こうとなった。このチャンスを逃したら万年2位になると思った」と鈴木会長は振り返った。

   同年後半はダイハツとのシェア争いが久々のデッドヒートになった。そうした中で、スズキはハスラーだけでなく、ワゴンRなど従来の軽自動車の販売も伸ばした。2014年1~12月のスズキの軽自動車販売台数は前年比13.9%増の70万9083台となり、ダイハツ工業(7.0%増の70万6288台)を3000台足らずの小差ながらも抑えて8年ぶりに首位に返り咲いた。

   しかし、ダイハツ工業も引き下がらなかった。年明けから販売攻勢を強め、4月の増税前の駆け込み需要も当て込んで特に3月の販売を伸ばし、2014年度についてはダイハツ(68万7393台)がスズキ(67万9357台)に約8000台の差をつけて競り勝った。

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