日本初の春画展、苦難の開催 スポンサーゼロ、苦情に怯えながら

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新聞やテレビに春画の広告を出すことは無理

   早川名誉教授によれば、浮世絵の展示会などに春画コーナーを設ける展示が増えているのだという。出版でも無修正のものが普通に販売されている。きっかけになったのが1991年から1992年にかけて全4巻発行された学習研究社の「浮世絵秘蔵名品集」だった。144枚もの春画を原寸大の無修正で収録し解説を付けたもの。春画研究者たちが逮捕を覚悟した、思い切ったチャレンジだった。用意した数千部があっという間に売れ、1995年に同作品集の廉価版「浮世絵揃物 枕絵」が上下2巻で発売されると、これも大ヒットした。

   「お咎め」は無かったため、これ以降、無修正の春画を扱った本や雑誌が増えていくことになったと早川名誉教授は説明している。ただし、新聞やテレビなどには春画を扱った本の広告を出すことはまだ無理なのだという。

「これを機に春画に対する間違った考え方や偏見を取り除き、芸術作品と認識されるような大転換を図り、春画を大いに盛り上げていきたい」

と意気込んでいる。

   春画展開催に合わせるように新刊本の発行も目白押しで、15年9月15日には小学館から「大英博物館 春画」「ShungArt」「歌麿 THE BEAUTY」といった3冊が出る。「大英博物館 春画」は13年10月から14年1月まで開催された春画展の図録の日本語版で、永青文庫でも会期中に販売する予定だ。永青文庫の春画展の図録も制作する計画なのだが、スポンサーがゼロという財政的問題などがあり、本当に出せるのかどうか頭が痛いと早川名誉教授は話している。

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