海外展開ブランド、国内販売本数の約3.5倍に
日本では、たばこを吸う人が減っている。厚生労働省「最新たばこ情報」の成人喫煙率(国民健康栄養調査)によると、習慣的に喫煙している人の割合は2013年に19.3%。このうち、男性が32.2%、女性は8.2%だった。10年前と比べて、男性で7.1ポイント、女性で3.8ポイント減り、男女ともにこの10年間は減少傾向にある。
また、国内の紙巻たばこの上位20銘柄は、JTの「セブンスター」が53億1500万本でトップ。次いで、「メビウス・ワン100'Sボックス」の43億2600万本、「メビウス・スーパーライト」の42億7800万本と続く。「キャビン・マイルド・ボックス」は21億8700万本で13位、「キャスターマイルド」は26億9500万本で19位だった(2014年度第3四半期累計、日本たばこ協会調べ)。
とはいえ、「(国内は)総じて、年々減少傾向にあることは変わりません」(JT)。
その半面、「ウィンストン」や「キャメル」など、JTが海外展開するブランドの販売総本数は2014年に3980億本で、じつに国内紙巻きたばこの販売本数(1124億本)の約3.5倍にのぼっている。
こうした背景から、JTはウィンストンの「グローバルNo.1ブランド」への成長を目指している。今回の名称変更は、海外でのウィンストンの知名度と、キャビンとキャスターの品質のよさを統合することで、今後はアジアを中心とする世界でさらに売り上げを伸ばす狙いがある。
ウィンストンは現在、日本を含む世界111か国・地域で販売されている。いわば、JTのたばこ事業の成長を支える、けん引役だ。JTの小泉光臣社長は2015年5月20日の記者会見で、「ブランドの統合によって、世界第1位のたばこメーカーへの飛躍を目指したい」と語った。