恒例のAKB48の「選抜総選挙」(2015年6月6日開票)の速報値が5月20日に発表された。人気の「頭打ち」も指摘されるAKB48だが、「圏内」の80人に投じられた票数は14年比で3割以上伸びるなど、ファンの投票意欲は衰えていない。
ただ、その伸び率はグループやメンバー間で大きな差が出ている。15年12月をメドにグループを離れ「卒業」する「総監督」こと高橋みなみさん(24)は得票を伸ばす一方、後継の横山由依さん(22)は純減。得票を減らしたグループはなかったが、伸び率で見ると、大阪のNMB48が他のグループに大きく水を空けられている。
投票券付きCDの売り上げは2014年比0.7%増の「微増」
総選挙には272人が立候補。上位80人が「圏内」として表彰され、さらに上位16位が「選抜メンバー」として15年8月に発売予定の新曲に参加できる。総選挙の投票は主にCDについた投票券を通じて行われ、投票券つきCD「僕たちは戦わない」は、店頭売り出し初日の5月19日に147万2375枚を売り上げた。これは14年の投票券付きCD「ラブラドール・レトリバー」(14年5月発売)よりも0.7%多く、シングルの初日売り上げとしては最高を記録した。
初日売り上げは「微増」だが、速報段階で上位80人に投じられた票数は前年比32.4%増の68万6154票と、大幅に伸びた。
14年に引き続いて速報段階で1位だったのはHKT48の指原莉乃さん(22)だったが、得票数は1.5%増の3万8151票。全体の伸び率と比較するとかなり低水準で、「追い上げられている」状態だ。2位と3位には柏木由紀さん(23)と渡辺麻友さん(21)が入った。それぞれの得票数は3万3426票(93.6%増)2万9924票(18.4%増)で、伸び率では指原さんを大幅に上回っている。
次期「総監督」横山由依、得票純減で「少し動揺しています」
新旧「総監督」でも明暗が分かれた。高橋みなみさんは速報順位を14年の13位から6位に大幅に上げ、得票数も143.2%増(2.4倍)の2万1900票。得票数が14年と比較可能な人の中では、岡田奈々さん(17歳、8130票=158.5%増)、SKE48の古畑奈和(なお)さん(18歳=8540票、154.6%増)に次いで3番目に伸び率が高かった。半面、次期総監督に指名されている横山由依さん(22)は12位から20位に順位を落とし、得票数も8667票(8.8%減)と純減。ツイッターに
「まだ速報やし、弱音吐くタイプじゃないのですが、、少し動揺しています」
とつづった。
山本彩「名前呼ばれなくて悔しいメンバーもいる」と涙
地域別に見ても、差がくっきり出た。票数で見ると、「本店」AKB48が29.7%増の24万1091票、名古屋のSKE48が32.5%増の19万9387票、大阪のNMB48が10.9%増の6万4750票、福岡のHKT48が37.9%増の15万4225票。明らかにNMB48だけ伸び率が低いことが分かる。
当然、これはランクインする人数(議席数)にも影響。80人圏内で見ると、SKE48が23人から26人、HKT48が14人から16人とそれぞれ人数を増やす一方で、14年は11人だったNMB48は8人にまで減少した。
指原さんは、ツイッターで自らの1位を喜びながら、自らのグループについても
「てかHKTすごくてそれも嬉しい」
と触れた。
NMB48からは、山本彩(さやか)さん(21)が52.3%増の2万2532票を獲得し、唯一選抜圏内の5位に入った。山本さんは人前でめったに弱音を吐かないことで知られるが、NMB48劇場での公演中に結果を知り、
「名前が呼ばれなくて悔しいメンバーもいると思う」
と涙を流した。
ただ、14年の実績を踏まえると、速報段階で「開票」されるのは全体の2割強。例年同様、順位は速報から大きく変動するとみられる。