NTTドコモが2015年5月19日にYouTubeの公式チャンネルで公開した動画「あの子と別れてなんて言ってないじゃん。」が、わずか1日で削除されてしまった。
動画は「ドコモメール」を擬人化した女性を主人公に、昨今のメッセージアプリ人気とキャリアメール離れを男女の切ない恋愛に見たてて描いていた。「私のことも大切にしてよ」「私ともメールしてよ」といった自虐的とも受け取れるセリフで話題を呼んでいたのだが...。
「あのチャットアプリと別れてなんて言ってないじゃん!」
どんよりとした曇り空のもと、砂浜を歩く2人の男女。主人公の女性は恋人と思しき男性を必死で追いかけるが、振り向いてもらえない。どうやら男性には夢中になっている別の女性がいるらしい。
恋敵は何とも可愛らしい女性で、主人公も「確かにあの子は可愛いし、好きになる気持ちは分かるよ」と理解を示している。それでも彼に対する思いは強く、最後には「でも、私のことも大切にしてよ!あの子と別れてなんて言ってないじゃん!」とぶちまけるのだった。
主人公がドコモメールならば、恋敵の「あの子」は人気のメッセージアプリ、男性はドコモユーザーということだろう。ちなみに「あの子」が着ていたカーディガンは、LINEのブランドカラーそっくりの緑色。キャンペーンサイトには「あのチャットアプリと別れてなんて言ってないじゃん!」という記述もあった。
携帯電話における連絡手段といえば、かつては各社が提供するキャリアメールが主軸だった。だがスマートフォンの普及に伴い、現在ではすっかりLINEに代表されるメッセージアプリにシフトしている。主人公の悲痛な叫びからは、たとえ「二股」でもいいからキャリアメールも使ってほしいというドコモの切実な思いがうかがえる。キャンペーンサイトには「2番手でかまいません」との思い切った言葉も記されていた。
あまりに自虐的な内容とあり19日の公開直後からネット上で注目を集めたが、翌20日の12時ごろには動画が削除され、サイトも「メンテナンス中」になってしまった。